カウントダウンインタビュー1回目は、「空とぶクジラと見えない空と」の脚本家でもあり、絵本に登場する釣り人・ロッドを演じる工藤リョウスケさんと、少女が空想する雲の上の魔法使い・ペークルを演じる永山肇さん(通称:はじめちゃん)です。
夢奇房の公演では主要キャラクターとして出演することが多い2人。
今回はジャグリングのパフォーマンスも見せてくれます。
――2人は第11回公演の「ルーフボーイ」から参加している、いわば同期ですよね。以来、セリフ中心の主要キャラクターを演じる機会が多かったわけですが。
永山:そうですね。
――パフォーマーとして出るときと、役者(セリフをしゃべるキャラクター)として出るときの楽しさって違います?
工藤:全然違うねー。
永山:(ちょっと考えて)うん…やっぱり違いますね。
工藤:まず、役者のときには拍手が来ない。
――ああー、たしかに。
工藤:役者はストーリーを進めて世界をつくるのが仕事なので、拍手をもらう機会がないんです。一方で、拍手を受けて輝くのがパフォーマー。お客さんから拍手がもらえる彼らがうらやましいなと思ってました。カーテンコールのときはもちろん気持ちいいんですけど。
――じゃあ、今年は(拍手を)バンバンもらいに行きたい?
工藤:もらいに行きたい!
――…拍手を狙ったパフォーマンスにしている?
工藤:いや(苦笑)、そんなことはないです。どっちかというと、やはり世界観を重視してジャグリングの構成を作っています。でも、自分は舞台の上でやるよりも、大道芸のほうが多いから。どうしても「拍手が欲しそうな顔」をするクセがある。
――なるほど、「欲しがり」になるわけですね。
工藤:(はじめちゃんに)俺、大道芸のほうが多いよね?
永山:たしかに、大道芸をやっているイメージが強いです。
――はじめちゃんは、パフォーマンスをやるのは(第11回に引き続き)2回目ですよね。
永山:はい、そうです。
――やっぱり、ジャグリングやりたいなと思って?
永山:そうですね、去年は役者だけで出演して。役者だけでやるのも楽しさがたくさんあるけど、やっぱり、拍手…。
工藤:ハハハ。
永山:拍手というか…。うん、そうですね、拍手ですね。
一同:(笑)
永山:だから、ジャグリングをやりたいなっていうモチベーションが強くて、今回はパフォーマーとしての出演を希望しました。
――今回は2人とも、絵本の登場人物や空想の中の人といった現実にはいないキャラクターですが、演じる上での工夫はありますか?
工藤:主人公のピクトでどういう気持ちで書いた絵本なのかをすごく想像しながらやっています。
――なるほど、作者の気持ちから入っていくわけですね。
工藤:自分の場合は、本当にただ純粋に…例えば学校にも行かずに釣りばっかりしている人、というのをイメージしていますね。
――:はじめちゃんは、絵本の中じゃなくて空想の中の人だけど。
永山:そうですね。イルマという女の子の想像の中に登場する、雲の上の魔法使いというキャラクターです。普通の人間じゃない役なので、世界観に合うように。
――世界観というのは、具体的にはどう捉えているのでしょうか?
今回は作中で様々な絵本が登場します。一つの舞台に色々な世界が同居していますが、ペークルの場合はその世界にいるのが自分だけなので、それを全て一人で表現しないといけないということですよね。
おそらく、工藤さんの演じるロッドも同じだと思いますが。
工藤:なんだろう、世界に合わせてロッドが動くというよりは…言うなれば先に魚釣りをしている人の絵を描いて、あとから背景を足しているのだと思う。だから、俺のパフォーマンスの出来次第で世界が違って見えるというか。
――ふむふむ。
工藤:世界の雰囲気を作った上でやるんだ、というよりは、やった結果世界ができていく。
永山:僕は、忠実にイルマの頭の中の人物を表現しようとしています。
――なるほど、ありがとうございます。
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