Story


虹色に彩られた楽譜と、そこに書かれた父の言葉。
「虹の音の軌跡をたどれ」――それがすべての始まりだった。

少年は思う。
夢なんて見てる場合じゃない。現実だけが俺のすべてだ。

少女は思う。
夢ってまるで宝石ね! 想像するだけで、世界がキラキラ輝いて見えるわ!

またある少女は思う。
私は誰よりも早く夢を叶えたわ。これからもずっと、叶え続けてやるんだから。

虹の都アルコバレーノに交差する、少年少女三人の夢。
カーニヴァルのラストを飾る、独唱歌アリアを歌うのはいったい誰なのか?





■虹の独唱歌(アリア)用語集<クリックすると、用語の説明が表示されます。>

◇アルコバレーノ
 物語の舞台となる街の名前。虹が見られることが多く、「虹の都」と呼ばれている。
 通り雨が多いため、街の人々は色とりどりの装飾傘をファッションとして日常的に持ち歩いている。
 中心部には広場があり、カーニヴァルの時期はステージが特設されて多くの人々が集まる。

◇カーニヴァル
 4年に一度、2月下旬に開催されるアルコバレーノのお祭り。
 この期間は仮装をした人々で街中が賑わい、街の外からも多くの客が訪れる。
 仮装でお互いがわからない状況を楽しみ、夜ごとお酒やダンスで羽目を外す人々が多いが、一方で喧噪を避けて引きこもる人もいる。

◇実行委員会
 カーニヴァルを管理する組織で、正式な名称は「カーニヴァル実行委員会」。
 ステージショーの運営やツーリストたちのケアなど、その業務は多岐に渡る。

◇フィナーレ
 カーニヴァルのラストを飾る祝典のこと。
 街一番の歌姫が独唱歌アリアを歌うのが恒例で、非常に名誉なことだとされている。

◇パフォーマー
 特設ステージで入れ替わり立ち代わり、朝から晩までパフォーマンスをしている旅芸人たち。
 わざわざ遠方からやってくる者もいる。

◇ツーリスト
 カーニヴァルの時期に合わせてアルコバレーノにやってきた、お客様。
 そう、あなたのことです!

◇虹の音楽団
 かつてアルコバレーノで一世を風靡した正体不明の6人組で、カーニヴァルの時期だけ活動していた覆面音楽団。
 現在は解散し、それぞれ別々の生活を営んでいる。